「交差点」目指す育児は、仕事術から生まれた。バズりまくる夫妻に、育児ハックを聞いた。
SNSで何度も話題をさらってきた育児ハックをまとめた本『子育てブレスト』が発売された。著者は、プランナーの佐藤ねじさんとおもちゃ作家の佐藤蕗さんの夫妻。
泣き止まない0歳、何でもイヤイヤの1〜2歳から、親との会話が激減した小学校高学年…。子育て中の親たちは、悩みと葛藤の連続の中にある。
そんな時を乗り切ってきた佐藤家の12年間の知恵と工夫、アイデアが詰まっているのがこの本だ。
「ブレスト」というビジネス分野の用語が使われているのは理由がある。佐藤ねじさんは、企業のPR企画などを制作するプランナーとしての発想法を、育児にも転用できるのではないかと考え、様々な「ハック」を生み出してきたのだという。
ただ、夫妻に話を聞くと「これは『不真面目な本』なので、育児書だとは紹介しないでほしい」と注意事項を告げられた。その心は…?
ーーブレストとはいいタイトルだなと思いました。
佐藤ねじ:親の「座らせたい」というA案、子どもは「立ちたい」というB案。そんな時に2択が正面衝突しても解決は難しいですよね。その時に、別のC案があると気持ちが楽になるよね…というのが根本思想です。抜け道もあるよというのが。
佐藤ねじ:2人で子どもに関わっていると、片方がカンカンになっている時に、別の方が違うやり方で救う…ということが、うちは結構ありますね。
僕が思う「いい仕事」は、交差点なんです。例えばクライアントの伝えたい情報と、そのターゲットの関心ごとの交差点を探すとよい企画案のゴールが探せる。子育てでは、子どものやりたいことと親にとって良いことの交差点を探すことがサステナブルな道なのではないかと思います。
佐藤蕗:子育ては、実態としては自分の時間を犠牲にしていると言える部分もあるのですが、「子どもにひざまづく」ような捉え方はしたくない。なるべくみんなが機嫌良くいられる交差点で、サステナブルな子育てをしたいと私も思っています。私にとっては、作ること自体が癒しでもあります。この困り事をネタにして何かを作って作品にしてみよう、ということで幸せを作り出していますね。