恋愛と結婚は、最適な素養が異なっている。
恋愛と結婚。
この二つを無条件に結びつけている人がいる。
そこまでいかなくても、「恋愛を前提にしない結婚は、かならず不幸に違いない」と漠然と考えている人ならば珍しくない。
最近は婚活やマッチングアプリがメジャーになったけれども、それらを経由してすら恋愛的要素を必須プロセスとみなし、どうにか恋愛をこしらえようとする人もいる。
これは、かなり硬直した恋愛観と結婚観ではないだろうか。
もし、昭和時代にお見合い結婚した男女がみんな不幸なら、恋愛は必須要素と言えるだろう。
ところが見合い結婚した人・政略結婚的に結婚した人にも、それなり幸福な男女はいる。
翻って、恋愛結婚時代の男女は特別に幸福になっただろうか?
わからない。離婚が増えたという意味では、不幸な結婚が増えてしまったようにすらみえる。
非婚率も、恋愛結婚が本格化した70〜80年代あたりから増加し続け、誰もが結婚する時代は遠くなって久しい。
どうあれ間違いないのは、結婚には恋愛というプロセスがつきもの、とみなされるようになったからといって、男女の幸福度が特別に高くなったわけではない、ということだ。